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城東の自由Freedom of Joto

岡山城東高校では、生徒の自主性を重んじており、私たち生徒は自由で明るい雰囲気の中で学校生活を送っています。またその校風の中で、生徒の責任ある自由のことを「城東の自由」と呼び、尊重されています。

その「城東の自由」について、11期生の佐々木誓人さんが残した文章を中心として、24期生がまとめました。
この文章を読んでいただくと、岡山城東高校の雰囲気を少しは感じてもらえるのではないかと思います。

自由とはWhat's Freedom?

自由というものについて考えてみたことがありますか。ここでは自由というものについて少し深く考えてみたいと思います。

自由というものを成り立たせている要素は2つあります。

1つは“束縛されていない”ということです。これは誰でもすぐに思いつきます。何にも束縛されず好きなことができる事こそが自由だ、と言うのは確かに正論です。しかしそれだけでは完全な自由とは言えません。

もう1つは“責任を持つ”ということです。自由とされている範囲の、自分の行動、動作、言語など、すべての行為に対して責任をもつということです。責任の伴わない自由など、自由を履き違えた身勝手です。

これら2つが存在して初めて真の自由と言えるのです。
自由の要素についてはこれで終わりですが、次に自由の種類について考えてみましょう。

自由の種類も2通りあります。

1つは“与えられた”自由。もう1つは“自らが勝ち取った”自由です。

要素を満たしていれば自由であるということには変わりはないのですが、これら2つではその中に存在する各々の意識が全く違います。与えられた自由の中で何も考えず過ごしている者と、自由のために戦い、それを維持しようとする者とで意識に差が出るのは当然です。

要素について、前者は言えても後者は言えない人が多いようです。また現在では多くの場面で自由が保障されており、労せずとも別段不自由なく生活できているように思います。

しかし、自由の本当の意味を知り、認識を深める、それこそが城東の自由を知る第一歩なのです。

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城東の自由 ―起源―Beginning

次に城東がなぜ自由と言われるのか、その起源を開校の歴史をたどりながら考えてみたいと思います。

1987年春、岡山城東高校第1期生が入学して来ました。その当時、城東には真新しい校舎と新設校という肩書。教室にはピカピカの机と椅子だけ、初めての体育の授業はグラウンドの石拾い。まさに何もない状態からのスタートでした。

そんな中、先程も述べたような城東の目標を高らかに謳った生徒会会則前文を始め、学校作りの土台となる様々な事柄が生徒自らの手で行われて来ました。また驚くべきことに当初の城東における守るべき規範とでも言うものは、その多くが生徒自身の手に委ねられていました。それは自主性を最大限尊重し、生徒一人一人の良識に依っている部分が大きいものでした。また生徒自身にも自分たちで作ったからには守るという意識が根付いていました。

このようにして岡山城東高校の第一歩は踏み出されました。自由と言われる城東高校の起源はここにあるのです。

では、なぜこのようにさまざまな事柄を生徒自身の手によって行う事が可能だったのでしょうか。

1つは教員の意識の高さです。生徒の自主性を尊重するため、生徒に自ら決めさせる場を用意し、支援し続けた教員の助力無くしては、今日の城東はあり得ません。しかし、当時の教員の間でも学校作りを生徒に任せてしまうのには不安があったようです。

そしてもう1つ、何と言っても生徒の意識の高さです。せっかく用意された場も、主役である生徒の意識が低いと役に立ちません。与えられた場を最大限活用し、自由と言われる城東の基礎を築いたのは、紛れもなく生徒自身でした。

自由と言われる城東の第一歩が踏み出された背景には、不安はありながらも、生徒のために様々な場を用意した教員と、教員の期待以上にそれに応え、不安など消し飛ばした生徒、そして両者の信頼関係があったのです。

ここまで1期生の時代を中心に城東の自由について書いてきました。このころ確立されていた城東の自由、それは、自主・自律の精神のもと、自分たちで作り上げる。教員は生徒を一人の大人と認め、自主性を最大限尊重し、生徒は決められたことを守るのではなくて、自分たちの常識、良心のもと物事を判断し、それに対して責任を持つ。そのような信頼関係が、生徒一人一人の良識の元に成り立っていました。

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城東の自由 ―継承―Succession

城東の自由の起源は先ほど述べました。次にそれらが継承されていった様子を見てみましょう。

1期生によって生みだされた城東の自由はその後、2期生、3期生へと受け継がれる時期が来ました。

自由の精神については、リーダー研修会や座談会で話し合い、認識が深められました。また、校則(本校では一般に、生徒会会則及び生徒心得を校則と呼ぶ)に不備な点があれば改正運動を起こし、執行部や校則検討委員会(この頃は専門委員会の中の特別委員会【名称は話し合う校則の内容により異なる】のこと 生徒会会則第18条参照)を中心に討議を重ね、不備な点は改正され、より住み良い、より自由な学校へと発展を遂げていきました。

しかし、このころすでに1期生と下級学年の生徒との間に、自由に関する認識の差があるという声が聞かれるようになっていました。

1期生の作り上げた自由に対し、下級学年の生徒は上から来た自由に甘えるのでなく、自分たちで話し合って自分たちの自由を確立するという目的で、リーダー研修会などでの討議が行われました。しかし、自分たちで作り上げた者と、それを受け継いだ者との認識の差を消すのは難しいようでした。

一方、1期生のころは手探り状態だった学園祭“翠緑祭”も、毎年様々な工夫が加えられ、より素晴らしいものになっていきました。そのほかの多くの生徒会行事も、年を重ねるごとに充実していきました。

こういった時期が開校以来3〜4年間続きました。“自由の精神の継承”が完全に行われたかというと、不足の感も否めませんが、それでもこのころ自由といわれる城東のスタイルが確立されました。

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城東の自由 ―変革―Change

1期生の高い理想の元に築かれていった城東の自由の精神も、いつの時代からかすこしずつ変化が訪れました。

かつては確立されていた真の自由の精神も、この時期になると年を重ねるごとに薄れ、同時に生徒の良識も失われ始めました。自由を履き違えた生徒が増え、生徒の良識を前提に作られた校則を違反する者も増えていきました。

そんな中、十分な討議もなされないままに校則改正を訴え、職員会議で否決されるといった事もあり、生徒と教員の信頼関係も薄れつつありました。

さらに、良識を無くした生徒による、電車内や自転車通学時の交通マナーの悪化、さらには、折からのハイテクシューズブーム(1995〜1996)に煽られての靴の盗難、校内での現金や貴重品の盗難、自転車や傘泥棒など、犯罪と呼べる行為までもが起こり始めました。

1993年度には、生徒課が服装の指導を強化し、教師による規制も辞さないという方針を打ち出したこともありました。(これに対し、主に広報上で城東の自由に対する活発な討論が行われたが、全校のものとはならなかった。)

自由については翳りが見えてきたものの、ほかの面、特に行事などは依然目覚しく発展していきました。

翠緑祭は、回を重ねるごとに内容の濃いものとなって来ました。一般公開時の観客動員数も増え、同時に模擬店などの収益金も増え、施設や慈善団体に寄付することもできるようになりました。

学校行事の中でも確たる地位を固めた翠緑祭を始め、3年生を送る会や新入生歓迎会、書華美展、球技会や年によっては生徒会主催の合唱大会が開かれるなど、生徒会行事はますます充実していきました。

また、勉強は言うに及ばず、部活動においても活躍は目覚ましく、様々な部が中国大会や全国大会といった場でも活躍しています。

自由の精神という面から見ると衰退して来たと言える城東高校ですが、依然自由であることには変わりなく、自由な環境という面ではむしろ発展しているとも言えます。また、自由以外に目を向けると、素晴らしい発展を遂げています。これをどうとらえるかは人それぞれですが、創設時の自由の精神が失われている今は、まさに城東高校の過渡期と言えます。

今後城東高校がどのような発展を遂げるかはこれからの生徒次第ですが、あなたの行動で大きく左右させることができることは間違いありません。今後の城東がどうなるかは、今これを読んでいるあなたの肩にかかっているのです。

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城東の自由 ―進化―Evolution

(この章は24期生が追記しました)

上記の文章が書かれてから10年以上の歳月が経ちました。その間、岡山城東高校は更なる発展を遂げ、城東ファミリーは1万人を突破しました。もはや新設校という初々しいイメージはほとんど無くなったように思います。

しかし、創立以来築かれてきた「城東の自由」は今も絶えることなく受け継がれ、さらなる進化を遂げています。生徒会執行部が主体となり、生徒の手によって学校内での携帯電話の利用規定(生徒会宣言)を制定したり、シエスタイムの試験導入(詳しくはシエスタイムを参照)を行ったりしたことは、そのことを証明しているでしょう。


― No Freedom , No Joto―


ここが岡山城東高校であるからこそ、この「城東の自由」が存在しているのです。

この岡山城東高校の未来を、あなたの手で、創りあげていきませんか?

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