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世界の「富の分配」を考えるワークショップ『世界がもし90人の村だったら』を行いました

11月6日にSGH事業の一環として,世界の富の分配を考えるワークショップ「世界がもし90人の村だったら」を開きました。

講師はJICAの国際協力推進員である横山明子氏,上田愛氏,橋本優香氏,新川美佐絵氏の4名にお願いをしました。

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世界が90人の村だったらと仮定して,「人口」「貧困」「教育」「男女差」「言語」「食料」などについて世界の現状を考えました。配られた役割カードによってグループに分かれるワークショップが,講師の方の軽快な語りで進められ,世界の富の分布だけでなく,「食料自給率と食品廃棄物」「レアメタルと児童労働」などについても考えました。生徒が自分の意見や感想を述べる場面が多くあり,知識としての理解に加え,仮想とはいえ多くのことを実感する場面の多い100分間でした。

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ワークショップで話題に上ったことは次のようなものでした。
○ 世界には196か国があるが,そのうちの150か国が,一日を150円以下で暮らしている人の多い開発途上国である。
○ 世界の人口は,産業革命の時代から急激に増え,現在1分間に150人の割合で増えている。現在72億の世界の人口は2050年には92億人になりそうだが,地球の資源でまかなうことのできる限界は80億人と言われている。
○ 世界の男女比はほぼ同じだが,日本では女性が多く,インドやニジェールは男性が多い。それには性別に対する価値観や性差による教育などの理由がある。
○ 日常的に使用している言語は世界中に多く存在するが,異なる言語でも同じ宗教を信仰している場合は挨拶が共通のことがある。
○ 90人の中で大学に行ける人は1人,パソコンを持っている人は2人。教育や情報の格差が存在する。
○ 天然資源や食料などの富の分布の話では,富を飴90個と置きかえてみると,北アメリカでは1人7個だが,南アメリカやアフリカは数人で1個である。
○ 世界の食料は先進国に20%,開発途上国に60%,後発開発途上国に20%の割合で消費されている。
○ 開発途上国では1年間で630万人の子どもが命を落としている。
○ 日本の食料自給率は40%,食品廃棄物は年間2千万トンである。
○ 先進国が大量に輸入しているレアメタルを産出している途上国では,労働賃金を抑えるために,子どもたちが働かされている場合がある。

最後に講師の方から「ものに恵まれている我々日本人だが,世界には経済的にいろんな国・地域があることを知り,これから暮らしていく中で,今日のワークショップで感じたことを思い出してほしい。世界の問題はこれからもいろいろなテーマでいろいろなことがずっと続いていくと思うが,今日感じたことや考えたことを持ち帰って,考え続けてください。」のことばをいただき,閉会となりました。

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