去る9/27・28、瀬戸内市中央公民館で、岡山B地区の演劇発表会が開かれました。本校演劇部は、篠原久美子作「空の村号」を上演しました。この作品は、福島のある村を舞台にして、東日本大震災の時に発生した、福島第一原子力発電所の事故により翻弄された地域や家族の姿を、子どもの視点で描いたものです。
空の父は酪農家です。全村避難指示が出て、牛を処分しなければならない。これまで築き上げてきた農家の誇りが打ち砕かれ、その思いを映画監督の晶にぶつけます。空は、酪農を継ぐからみんなで一緒に生活しようと父に訴えます。しかし、牛舎は空っぽにするしかない・・・・。
空は、仲間を集めて映画をつくろうとします。みんなで力を合わせ悪の帝王ガガゾノボンバー をやっつけるのです。でも、現実の世界には完全な悪はいないということに気づきます。じゃあ誰のせいで自分たちはこんな目に遭わねばならないのか。空は混乱します。
空と妹の海は東京の祖父のもとに行くことになりました。おばあちゃんは老人ホームへ。父には山形の酪農家から住み込みで働いてほしいという依頼が。母は地元に残るか東京へ行くか。父も母もまだ迷っています。桜の花が満開となった4月の終わり、東京へ旅立つ子どもたちを両親は見送ります。もう一度家族みんなで福島で生活できる日がきっと来る。そう信じて父と母は手を振り続けます。
東日本大震災という重いテーマでしたが、精一杯演じ切ることができました。