岡山城東高校の日々をつづります
岡山城東な日々

卒業式を行いました。

31日(火)卒業式を行いました。

160304-103311160304-103335

卒業生が式場に入場後、城東高校オーケストラが旅立つ卒業生に向けて、シベリウス作曲の「フィンランディア」を生演奏しました。

160301-101152

校長式辞

160301-104910

卒業生代表答辞では、城東での三年間を思い起こして、涙ぐむ生徒や教員、保護者もいました。

160301-095756160301-100319

オーケストラは管弦楽部と吹奏楽部で編成。合唱は、合唱部の他にも、2年次音楽学類、1年次音楽選択者も参加しています。

160301-110514

160301-081831160301-081847

たくさんの祝電をありがとうございました。

160301-081940

在校生からのメッセージも掲示しました。

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!また、学校へ近況報告に来てください。いつでも待っています。

 

第27回卒業式 校長式辞

旭川の水面に反射する陽光が日増しに力強くなり、梅の花の芳しき香りから春の訪れを感じる今日の佳き日、岡山県教育委員会を始め、多数の御来賓並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山城東高等学校第27回卒業式を、このように盛大に挙行できますことは、まことに感に堪えないところでございます。教職員を代表いたしまして、御臨席の皆様に、まず厚く御礼を申しあげます。

ただいま、卒業証書を授与いたしました358名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。また、保護者の皆様におかれましても、今日の晴れの日を迎えられ、3年間で立派に成長されたお子様の御様子に、お喜びもひとしおのことと拝察いたします。心からお祝いを申し上げます。

卒業生の皆さんは、3年前に時計台を仰ぎ見ながら、ここ岡山城東高校の門をくぐりました。城東では自由な校風のもと、学園生活を楽しみたい。単位制の特徴を生かして自分だけの時間割を作り、学類での専門的な学びを通じて、勉強の面白さを知りたい。部活動で全国大会を目指したい。そんな希望をそれぞれが抱いて高校生活をはじめたことと思います。

確かに、ここにはそれらを可能とする環境が整っています。しかし、現実には、夢は待っていても叶わないということに、すぐに気づいたことでしょう。皆さんがあこがれた先輩たちは、そうした本校の資源を活用しながらも、仲間と協同し、切磋琢磨しながら努力を積み重ね、進取の心で新しいことに挑戦していったからこそ、素晴らしい成果を上げることができました。また、先輩たちのそうしたチャレンジ精神が脈々と受け継がれ、進化し、今の城東の独創的な学びのシステムが確立していったのです。

もちろん、27期生の皆さんも城東の進化に大いに貢献してくれました。学類研修では4つの学類すべてに海外コースを導入しましたが、皆さんは学校交流を通じて積極的に異文化を理解しようとしたり、国内コースでも大学や研究機関で最先端の学問に触れて将来の夢を広げたりして、本校の学類研修の価値を高めてくれました。このことは本校がスーパーグローバルハイスクールに指定される一因にもなりましたし、城東生のステージを世界に広げる原動力ともなりました。

生徒会活動においても、城東の自由を自ら守っていこうとする気概を見せてくれました。リーダー研修会で発案し、クラス討議を経て、臨時生徒総会で議決した「いじめゼロのための生徒会宣言」や「携帯電話・スマートフォンの使用マナー」は、正に城東ならではの取組であり、城東生徒会に新たな金字塔を打ち立てました。

岡山城東高校の卒業生は今日の卒業式をもって、一万人を超えることとなりました。皆さんは、明日からは城東卒業生一万人の一人として、城東で学んだすべてのことに対して自信と誇りを持って、未来を切り開いて行くとともに、その力を社会の発展のために活用し、貢献して欲しいと思います。

現在日本では少子化に伴う人口減少が顕在化し、これまでになく社会の担い手としての若者への期待が増しています。高度成長期は、人も物も金もあり余り、青年期はモラトリアムとされ、社会参加を猶予される雰囲気がありましたが、現在社会を取りまく環境は様変わりしました。

少子高齢化を迎えた日本では、低成長から来る経済・財政問題、格差拡大の問題、教育問題、大規模自然災害や原発事故に代表される環境問題などが山積しています。社会のグローバル化の中で、地球規模のエネルギー・環境問題、民族・宗教問題や国際紛争、貧困や感染症、テロ・難民問題に目をつぶるわけにはいきません。そのような社会の変化の中で、若者の柔軟な発想力や湧きあがる活力への期待が高まっているのです。

若者の政治への参加を期待して、選挙権年齢が引き下げられ、六月の改正公職選挙法施行後は、皆さんは全員有権者となることは周知のとおりです。そのような流れの中、私は皆さんに始業式や城東新聞などで「大人になるということについて考えよう」と呼びかけました。

今年度は、政府の安全保障政策の変更に反対する市民運動が全国各地で起こりましたが、私が注目したのは、大学生や高校生の活動が目立つようになったことです。それは、1960年の安保闘争のような過激な学生運動ではなく、ごく普通の学生たちが行動を起こしたものです。参院特別委員会の中央公聴会で意見を述べた奥田愛基さんも、普段は今時の生活を送っている私立大学の学生ですが、彼は同世代の若者に対して、「政治に無関心ではいられても無関係ではいられない」と分かりやすく訴えています。

世界に目を転ずると、昨年度最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんの活躍が光ります。彼女はパキスタン出身で、皆さんと同じ18歳です。15歳のとき、女性が教育を受けることに反対する一派から銃撃され、奇跡的に命を取り留めました。ところが、彼女はその一派の更なる脅しにも屈せず、その後も女性も含めた教育の大切さ、平和の重要性を訴え続けています。

私は彼女の若年とは思えない、ゆるぎない信念と行動力に敬服しました。彼女はノーベル賞の受賞スピーチで、同じ年代の人たちに次のように呼びかけています。

Dear sisters and brothers, let us bring equality, justice and peace for all. Not just the politicians and the world leaders, we all need to contribute. Me. You. We. It is our duty.

彼女は子どもや女性の教育環境の改善に向けて、当事者である若者も行動を起こすべきだと訴えたわけですが、この言葉は、教育にとどまらず、現在世界が直面する様々な問題の解決を人任せにするのではなく、皆さんのような若い世代の人たちも主体的に関わっていくことが大切だ、とも取れるのではないでしょうか。

皆さん一人ひとりは、それぞれ次代を担う市民であり、社会をよりよくしていく責務があります。マララさんのような活動はなかなかできないかもしれませんが、まずは教養を広め専門性を深めて、人間性を一層高めるように研鑽を重ねてください。グローバルな視野を欠かさず、社会課題に対して自分には何ができるのかを問い続けてほしいと思います。そうすることが、社会全体を幸福に導くことに繋がり、また、皆さん一人ひとりの人生も豊かなものにしてくれます。

結びに、皆さんが、城東で培った「進取・協同」の精神をよりどころに、多様な価値観を認めながらも自分の考えをしっかりと持ち、主体的に行動できるグローバルリーダー、すなわち大人に成長すること、そして何よりも健康で幸福な人生を歩まれることを祈念して、式辞といたします。

平成28年3月1日 岡山県立岡山城東高等学校   校 長  浅 沼  淳

 

 

 

カテゴリー: 学校行事 パーマリンク