7月12日(火)第2回SGH講演会として、岡山県JICAデスク横山明子氏、広島県JICAデスク上田愛氏、広島市JICA橋本優香氏、青年海外協力隊OG木下史子氏をお招きして、世界の富の分配を考えるワークショップ「世界がもし100人の村だったら」を行いました。
このワークショップでは、1年生360人が90人ずつの4つのグループに分かれ、「世界が90人の村だったら」と仮定して,「人口」「年齢」「教育」「男女差」「言語」「食料」「貧困」といったことについて、世界の現状を学ぶものです。
会がはじまると、生徒一人ひとりに、国籍や性別、年齢、言語などが書かれた役割カードが配られました。まず最初に、生徒全員がカードに書かれている「挨拶の言葉」を話しながら会場を歩き、同じ挨拶をする者が集まりながら集団作りを行いました。その結果から、世界でもっとも多く話す言葉が中国語で、英語ではないことを知り、生徒は驚いていました。
次に、自分たちが病気になったと想定し、外国語で書かれた「薬」、「水」、「毒」のボトルの中から「薬」を選ぶというワークショップを行いました。文字が読めないため、多くの生徒が「毒」を選択してしまいました。この体験を通じ、文字が読めるようになるためにも教育は必要であるということを実感しました。
また、富の分配のワークショップでは、90人のうち56人がアジアの人であること、そして世界の富をあめ玉にして、それを地域ごとにに分配すると、富の6割が北アメリカに配分されることが分かりました。分配の結果、ヨーロッパや北アメリカに比べ、アフリカや南アメリカのあめ玉が少なかったことに大変驚いていました。
こうしたワークショップを通じて、日々の生活の中では実感しにくい、世界の現状や課題を理解するとともに、その課題を自らのこととしてとらえ、自分たちに何ができるかを考える経験となりました。
また、海外での生活体験のある講師の方から話を聞き、国による文化や習慣の違いを知ることで、他者との関わり方を考える機会となりました。
最後に作成したワークシートには、「自分たちが今、世界的に恵まれている環境にあるのならば、しっかり勉強して、途上国に貢献できる技術を身につけたい」といった意見や、「恵まれない人がたくさんいるのならば、例えばフェアトレード商品を購入するなど、自分たちにできる範囲で、貧困に苦しむ人々を支援していくことが大切だ」といった意見もありました。
講師の先生方、貴重なお話をありがとうございました。