岡山城東高校の日々をつづります
岡山城東な日々

プチ「卒業式」を挙行しました

3月1日を過ぎての卒業式???

実は、卒業式当日、大学受験のため出席できず、
その後も高校入試で登校できず、
ようやくこの日、証書を授与できることになった卒業生に
ささやかなプチ「卒業式」を挙行しました。

校長より、一人一人名前を読み上げての、卒業証書授与、
そしてプチ「校長式辞」、担任からのプチ「送辞」
そして卒業生一人一人からプチ「答辞」と続きます。

校歌も歌います。
だって彼らは音楽学類ですもの。
校歌3番はオブリガートをつけて歌いました。

式後は、参列した教員で「草原の別れ」を歌いました。

最後は「威風堂々」のメロディーと拍手に送られ、
プチ卒業式は滞りなく終了しました。

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平成29年度海外修学研修 8日目、9日目

イギリスを離れる日になりました。

朝食の後、荷造りを終えて、修了式を行いました。
Ardmore Berkshire College 
で8日間を過ごし、英語コースのプログラムを終えたことに対する修了証が、担当スタッフのAgaさんから一人ひとりに渡され、生徒がお礼の気持ちを伝えました。もう一人の担当スタッフのMJさんは前日に誕生日を迎え、早朝にオランダにいる家族のもとへと出発したため、今回の修了式には参加できませんでした。
修了証には生徒毎に異なるコメントが手書きで書かれていて、特に英語の授業についてのコメントはお世話になったKay先生の直筆で、生徒は感激していました。

寮からスタディセンターへ向かう道、自然あふれる風景、毎日おいしい食事が出された食堂も、これが最後だと思うと、名残惜しい気持ちになりました。

出発までの時間、最後のアクティビティとして、絵を描きました。Ardmore Study Centreに飾ってくださるそうです。Ardmoreで学んだ記念が残せたらと、日本、岡山の紹介や、イギリスの思い出を思い思いに描いていました。

別れの時です。毎日早朝から夜遅くまで色々お世話になったAgaさんに生徒全員からプレゼントをしました。彼女は一人ひとりにハグをしてくれ、バスの出発まで涙ぐみながら手を振ってくれました。彼女のことを、参加した全員がずっと忘れないでしょう。

午後はHughenden Manor(ヒューエンデン邸宅)を訪れました。英語でガイドをしていただきながら部屋を巡るハウスツアーを体験し、素晴らしい建物と手入れの行き届いた庭園にイギリスの歴史と伝統を感じました。生徒から質問もしていました。
ここは、ユダヤ人でありながら保守党から2期の首相を務め、ヴィクトリア朝を代表する政治家として活躍し、後に伯爵の称号も与えられたディズレーリの邸宅で、彼を寵愛し、この邸宅を何度も訪れたというヴィクトリア女王の肖像画も飾られていました。第2次世界大戦中は屋敷の地下が最高機密の空軍基地として使われていたという歴史もあり、現在はナショナルトラストによって管理されています。

イギリス時間3月10日午後7時(日本時間11日午前4時)にヒースロー空港を出発しました。
羽田空港までは12時間半。前半は日記をつけたり、予習をしたりする姿も見られましたが、機内泊ということで睡眠と2回の食事をとったためか、羽田空港到着までが短く感じられたようです。

羽田空港で乗り換え、出発はわずかに予定より遅れましたが、午後7時40分に岡山空港に無事到着しました。
保護者の方々に見守られる中、浅沼校長、年次主任の秦先生の出迎えで解散式を行いました。

校長から「これからの人生に今回の経験を生かしてほしい、城東生に研修のことを伝えていってほしい」などのメッセージがあった後、生徒が「正直、個々の英語の力には差があるけれど、たくさんの人々と出会い、失敗を含む経験をする中で、本当に大切なのは英語力というよりも、何を伝えたいか、どう行動するかだと感じた。これから頑張っていきたい。」と挨拶をし、全日程で大変お世話になったツアーガイドさんともお別れをして解散しました。

生徒全員が体調を崩すこともなく、充実した旅程を終えて無事帰ってこられたことに、心から感謝しています。色々な方々の支えがあってこの研修を行うことができました。本当にありがとうございました。

 

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新年度用教科書購入です

なにやら行列が・・・

近づいてみると ・・・ 手には紙とお金?

なるほど、新年度の教科書を買っているのですね。

本屋さんも大忙しです。

城東高校では、選択科目に合わせた購入表を、一人一人作っています。

買った教材には、お名前をお忘れなく!

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平成29年度海外修学研修 7日目

7日目は、本格的なEnglish breakfastでした。

Ardmore Berkshire Collegeでtourism(観光学)を学ぶ同世代の学生とセッションを行いました。まず、観光に関する基本的な知識を講義していただきました。基本的な内容を、ゆっくりとした英語で話してくださったので、十分に理解できたと思います。続いて、日本、イギリスの観光地に関するクイズに現地学生ともに挑戦しました。その後、日本、岡山、城東高校の紹介を現地学生に行い、イギリスとの違いなどを話し合いました。同世代とはいえ、教育システムが違うので、3教科しか履修せず、週3日の登校で、アルバイトをしながら、就職に向けて職業訓練や課題に取り組むという生活に、城東の生徒は驚いていました。最後に、城東高校校歌を披露し、セッションを終えました。

その後、プレゼン準備などでお世話になったケイ先生に、先ほどの現地学生とのセッションや研修全体の振り返りを、生徒との対話を通して行っていただきました。発音、語法、聴き手への理解を深め、聴き手の存在を意識したプレゼンをするなど様々なアドバイス、今後の英語学習への励ましをいただきました。特に、難しい英語を使っていることがあるので、シンプルな英語を話すようにとネイティヴの先生から、指摘していただいたことは、普段、意識することのない点だったのではないでしょうか。最後に、It is better to have tried and failed than never to have tried at all.(何もしないより、挑戦して、失敗したほうが良い)という言葉をいただき、振り返りが終わりました。ケイ先生は、元々、城東高校のプログラムの関わる予定のなかった先生で、我々のArdmore Berkshire Collegeでの活動をサポートするスタッフの呼びかけに応じて、ボランティアで指導をしてくださいました。生徒、引率教員ともに感謝の気持ちでいっぱいです。

昼食は、朝食に引き続きイギリスらしい、フィッシュ・アンド・チップスでした。Ardmore Berkshire Collegeは、農業のコースがあり、広大な農場を有していることもあり、毎食、豊富な野菜とともに、たくさんのおいしい食事が、毎回、提供されました。生徒も、しっかり食べて、体調不良をもなく、過ごすことができました。

午後は、ケイ先生のご紹介で、アン先生の英語の授業を受けました。アン先生も、元々はプログラムに関係していない先生で、ご厚意で授業をしてくださいました。授業内容は、失礼なく相手に自分の気持ちを伝えるのに必要な助動詞、仮定法を使って場面に応じた表現を学ぶものでした。ケイ先生がアドバイスしてくださった聴衆の存在を意識するという点にもつながる点です。

その後、過去の海外修学研修で生徒が偶然知り合ったことから、交流の始まったGutch夫妻のお話をお聞きしました。Gutch氏はイギリス人、奥様は岡山出身の日本人で、イギリスに来られて40年とのことでした。Gutch氏は英語で、奥様は日本語で、Gutch氏の日本での経験、奥様のイギリスでの経験、国際結婚についてなどを話していただきました。グローバルという言葉が認知されるはるか前からのお二人の経験談に、奥様の焼いてきてくださったカップケーキと紅茶を楽しみながら、生徒は様々な質問をしていました。

夕食後は、英語字幕で映画を楽しみました。映画の前に、Ardmore Berkshire Collegeでの活動を初日からサポートしてくれた現地スタッフのMJさんが、誕生日ということで、サプライズで、生徒から歌と日本のお菓子のプレゼントを贈りました。Ardmore Berkshire Collegeのスタッフ、Roberts平浩子さん、Kay先生、S.Ram氏、Phillip氏、Ann先生、Gutch夫妻、現地の学生など様々な方々のつながりで成り立っている研修であると再認識した1日でした。そのような研修もあと1日です。明日は、Ardmore Berkshire Collegeを午前中に出発し、元英国首相ディズレーリの邸宅で、現在はナショナル・トラストによって保全されているHughendenを訪れたのち、ヒースロー国際空港に向かい、出国です。

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平成29年度海外修学研修 6日目

6日目を迎えました。

Ardmore Berkshire Collegeで、午前中は、帰国後に終業式で行う帰朝報告の準備をしました。先日に引き続き、ケイ先生に指導していただきました。ケイ先生のおかげで、発表の流れの作り方をコツを掴めたので、より良い仕上がりになりそうです。帰国後は、今日以降の経験を発表に盛り込み、終業式に向けて準備していきます。

この日はイギリスに来て初めての快晴でした。

昼食後は、現地の学生とスポーツを楽しみました。城東生、現地学生の混合チームを作り、ハンドボール、フリースローをベースにしたゲーム、ベンチボールというゲームを行いました。久々に体を動かしたので、良い気分転換になりました。引率教員も、チームに参加し、プレーしました。

その後、明日、Ardmore Berkshire Collegeでtourism(観光学)を学ぶ学生とイギリスと日本の観光を題材に様々な活動をための準備を行いました。夜のアクティビティでは、ミサンガづくりをしました。思い出に残るお土産ができました。

いよいよ、イギリスで過ごすのもあと2日となりました。大きなトラブル、体調不良もなく過ごせているので、この調子で最後まで頑張ってもらいたいです。

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平成29年度海外修学研修 5日目

5日目は、現地の11歳から18歳が通うCranford Community Collegeでの学校交流です。滞在先の最寄り駅まで、タクシーで送ってもらい、電車でCranford Community Collegeを目指しました。ロンドンでのフィールドワークでtube(地下鉄)を使用していない生徒とっては、初めての電車移動です。到着駅では、国際交流を担当するPhillip氏が、待ってくれており、学校までPhillip氏の運転で向かいました。現地の高校生と合流した後、4つのグループに分かれ、今まで準備してきたプレゼンを行いました。プレゼンの後は、プレゼンをもとに話し合ったり、なぞなぞやイギリスや日本に関するクイズを一緒に考えたりして、交流を深めました。地元のサッカーチームが設立した屋内サッカー場Super Domeを見せていただいた後、昼食をとりました。午後は、Phillip氏と様々なアクティビティを行い、その中で、アメリカ英語とイギリス英語の違いにも触れました。終了行事では、一人一人、自身の名前が印字された来校認定証をいただきました。滞在先の最寄り駅に戻った後は、近くのショッピングセンターで、お土産を購入しました。明日からは、滞在先のArdmore Berkshire Collegeでの活動が続きます。

 

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平成29年度海外修学研修 4日目

4日目は、2グループに、それぞれ引率教員、添乗員、Ardmore Berkshire Collegeのスタッフが加わり、ロンドンでのフィールドワークを行いました。バッキンガム宮殿の前での集合写真からフィールドワークをスタートしました。その後、Aグループは、全行程を徒歩で移動し、大英博物館に向かい、昼食後、Covent Gardenでショッピングを行いました。Bグループは、tube(地下鉄)で移動し、大英博物館、昼食後、フリーメイソンズホールを訪問し、ショッピングをしました。大英博物館では、ロゼッタストーン、死者の書など教科書に登場するものの実物を目にし、知識を裏付ける貴重な物に出会う瞬間がありました。

また、些細なことですが、ロンドン市内にバスで移動しているときに、先月のSGH発表会でのガードレールの安全性についての発表で、海外の事例として紹介されたガードレールを見つけました。これも、知識と体験が一致する瞬間で、気にもしないような風景の中に、発表会を聴いていたことで、小さな気付きがありました。

その後、2つのグループが合流し、Common Wealth(イギリス連邦)の施設であるマルボロ・ハウスを訪問し、Programme ManagerのS.Ram氏に、Common Wealthについての講義していただきました。Programme ManagerのS. Ram氏が、シンプルな英語で、丁寧に話してくださったので、Common Wealthの成り立ち、理念を理解することができました。S. Ram氏ご自身も、英語が第1言語ではないので、ミスを恐れないでほしいと言ってくださいました。生徒も、それに励まされ、時間の許す限り、6人の生徒が質問をしました。質問の中には、この研修に参加していない生徒がグローバルⅡで扱ったテーマに絡めた質問もありました。

今日は、1日を通して、グローバルⅡや日々の授業で学んできたことの一つ一つがつながっていくことを感じることができる1日でした。明日の学校交流でも、現地の学生との交流を通して、更に学びが深まればと思います。

 

 

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平成29年度海外修学研修 3日目

第3日目は、学校交流でのプレゼンテーションに向けての最終準備を行いました。このプレゼンテーションは、グローバルⅡでの発表をベースに行うものです。午前中は、Ardmore Berkshire Collegeの英語教師のケイ先生が、一人ひとりの原稿とスライドを入念にチェックし、文法、語法の訂正だけでなく、ネイティブの視点から自然な言い回しやプレゼンテーションのコツ、心構えも教えてくださいました。午後は、9人が1人ひとりリハーサルを行い、生徒同士での質疑応答、現地スタッフのアガさんによる質疑、講評をいただきました。リハーサルの合間には、校舎内に隠されたイースターエッグを模したチョコレートを探し出すエッグハントという活動で、気分転換を行いました。活発な質疑、議論を通して、本番に向けて、プレゼンテーションをより良いものにできました。夕方には、抜き打ちで行われた避難訓練に遭遇し、大きなサイレンを聴き、避難しました。海外で、避難訓練を行うという珍しい経験をすることもできました。

夕食後は、翌日のロンドンフィールドワークについて、打ち合わせや確認をスタッフとともに行いました。明日は朝からロンドンです。

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平成29年度海外修学研修 1日目、2日目

岡山空港から、羽田空港を経由し、イギリスのヒースロー国際空港に向かいました。羽田での待ち時間を使って、外国の方に、来年度のグローバルⅢに向けてアンケート調査を行う意欲的な姿も見られました。12時間以上のフライトの後、バスで、滞在先のArdmore Berkshire Collegeに向かい、寮で夕食をいただきました。早朝の集合、長時間のフライトに加え、入国審査に1時間以上かかり、疲れも見られましたが、体調不良者もなく、夕食後の自己紹介を兼ねたアクティビティを元気にこなし、1日目を終えました。

2日目は、朝食後、バスでケンブリッジに向かいました。まずは、現地学生の案内で、ケンブリッジの街を散策しました。伝統を感じる大学の建物を見学し、そこで研究を行ったアイザック・ニュートン、ホーキング博士など生徒たちもよく知る人物の名前をガイド中に聞くことで、世界有数の大学の歴史を肌で感じました。学生とのQ&Aセッションでも、積極的に質問を行うことができました。昼食を兼ねた自由時間では、さらに街を散策したり、大学のロゴ入りのグッズを購入したりしました。午後は、大学内の施設のKaetsu Centreに移動し、例年、海外修学研修でお世話になっているロバーツ平浩子さんのお話を今年も伺いました。ご自身の経験を踏まえたお話は、生徒たちの今後、学びを深め、グローバルな時代に更なる一歩を踏み出すためのモチベーションを高める示唆に富んだお話でした。寮に戻り、夕食を済ませ、イギリスに関するクイズなどのアクティビティを行い、2日目を終えました。

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第29回卒業式を行いました

31日(木)卒業式を行いました。

 

城東高校オーケストラによるシベリウスの「フィンランディア」の演奏の中、卒業生入場です。

 

城東では毎年、卒業式のためにオーケストラと合唱団が編成されます。今年はオーケストラが管弦楽部と吹奏楽部の89名、合唱は合唱部と2年次音楽学類生徒、1年次音楽選択者の164名。式場の2階席から、総勢253名の生演奏で式典を美しく、厳かに盛り上げます。

校長式辞。

卒業生代表答辞では、城東での熱い3年間の思いが語られ、卒業生はもちろん、在校生、保護者、教職員みんなの心に響きました。

最後は全員で校歌斉唱です。

卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます!城東(ここ)で学んだことを力に、みなさんが次のステージで大きく活躍されることを祈っています。

 

たくさんの祝電をいただきありがとうございました。

 

 

【校長式辞】

 

芥子山の木々の梢には、若葉が芽吹く準備が着々と進んでいる気配が伺え、春の訪れを感じる今日の佳き日、岡山県教育委員会を始め、多数の御来賓並びに保護者の皆様方の御臨席を賜り、岡山県立岡山城東高等学校第29回卒業式を、このように盛大に挙行できますことは、まことに感に堪えないところでございます。教職員を代表いたしまして、御臨席の皆様に、まず厚く御礼を申しあげます。

ただいま、卒業証書を授与いたしました355名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。また、保護者の皆様におかれましても、今日の晴れの日を迎えられ、3年間で立派に成長されたお子様の御様子に、お喜びもひとしおのことと拝察いたします。心からお祝いを申し上げます。

さて、卒業生の皆さんは、今、岡山城東高校で過ごした3年間を振り返りながら、様々な思い出が走馬灯のように巡っていることと思います。そこには数々の、本校独自の学びがありました。学問の奥深さを知った学類による学び、それぞれの興味関心を深め、進路実現に繋がった単位制による学び、学校行事や部活動などのアクティビティから学んだことも多かったことでしょう。これらは、本校が築き上げた、他校にはない学びのスタイルです。

そして、スーパーグローバルハイスクールにおける学びにも、意欲的に取組みました。グローバル化がますます進展していく現代社会において、国境を越えて解決しなければならない様々な社会課題が深刻化しています。皆さんは、それらに対して広い視野と高い志を持って、解決すべき具体的テーマを自ら設定し、チームで協力して高校生の自分たちが貢献できることを探究してきました。チームは学類を越えたメンバーで構成し、知恵を出し合って研究を進めたのは本校独自のスタイルで、異力の統合と名付けています。この体験を通じて、課題解決に向かうためのチーム力、コミュニケーション能力などが身についたことと思います。

これら本校の特色ある学びに通底するのは、多様性(ダイバーシティ)です。皆さんは多様な個性や能力を持って県内一円からここに集い、それぞれの目標や夢の実現のために切磋琢磨してきました。英語が得意な人、音楽が好きな人、表現力が豊かな人、体力に自信のある人。海外での生活体験を持った人もいますし、留学生もいました。また、外国の高校生と交流を深める機会もたくさんありました。そのような環境を生かして、皆さんは城東での学びに向き合いました。特に2年次で取り組んだGLOBALⅡでは、異力の統合を生かして、答えのない問いに立ち向かいました。初めて顔を合わすメンバーが多い中でも、皆さんはすぐに打ち解けて話し合い、それぞれの得意分野を生かしながら多くの文献を研究し、フィールドワークを通じて仮説を検証して、最善の解決策を提言しました。仲間の考え方の多様性を受容し、むしろそれを生かして、1つの課題に様々な角度からアプローチしました。同じことは教科の授業でのグループワーク、さらにはクラスやブロックで取り組む学校行事や部活動でも体験してきました。校訓の「進取・協同」を、多くの場面で体得していったのです。

バラク・オバマ、アメリカ合衆国前大統領は、「YES WE CAN」というフレーズで有名になった、大統領選勝利宣言スピーチの中で、次のように語っています。

It’s the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Hispanic, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled. Americans who sent a message to the world that we have never been just a collection of individuals or a collection of red states and blue states.

We are, and always will be, the United States of America.

ここでいうthe answerは、民意としての選挙の結果のことですが、彼は、アメリカ国民の多様性がアメリカの力の根源であると言っているようにも取れます。私も、これからの社会の発展を考えるとき、多様性は1つのキーワードになると考えています。それは、次の2つの理由からです。

第1に、多様な考えや経験から新しいアイディアが生み出されるからです。今後ますます人工知能・AIの活用が進展していくでしょうが、AIは蓄積した経験データの範囲でしか能力が発揮できません。それに対して、人間の個性は多様で奥が深く、これを研ぎ澄ます中で、時に奇抜で独自の発想が生み出され、これが社会を発展させる原動力となるのです。だからこそ、大学は入試の複線化で多様な学生を集めようとしているし、企業も学歴よりも個人の資質・能力に重点を置いた採用にシフトしているのです。社会の様々な場面で、多様な専門分野から人材が集まったチームで課題解決を目指す場面が、今後益々広まっていくことでしょう。

第2に、グローバル化が進展する現代社会で活躍するには、世界の人々の暮らしや考え方の多様性の理解と受容が不可欠だからです。世界には、和を重んじる日本に住んでいるだけでは到底理解できない、様々な自然環境や歴史、民族、宗教などの違いに根差した多様な文化があり、人々の考え方も実に多様です。それらへの理解なしには、到底グローバルリーダーとしての活躍はあり得ません。

皆さんは、美しい音楽に包まれ、活気に満ちた生命もえたつ岡山城東での三年間の体験を通じて、人々の多様性を受容する意味や必要性を学びました。そのことに自信と誇りを持って、次のステージでは、それぞれが持つ個性や能力をさらに磨き、自分にしかできないことを増やすことで、社会の多様性の一翼を担って活躍していただきたいと思います。そのために、卒業アルバムのタイトル「追究」が示すとおり、生涯に渡って真理を追究し続けてください。

お別れの時が近づいてきました。最後に、城東の在り方を構築され、先日逝去された初代校長、平井睦巳先生が作詞された校歌を、みんなで高らかに歌いましょう。

結びに、皆さんが、主体的に行動できるグローバルリーダーに成長すること、そして何よりも健康で幸福な人生を歩まれることを祈念して、式辞といたします。

 

平成30年3月1日

岡山県立岡山城東高等学校

校 長  浅 沼  淳

 

 

 

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